優れた安定性と長寿命の確立
モニター水晶製品一例
【用 途】
薄膜蒸着の蒸着量を膜重量の変化として捉えるセンサーにご使用頂けます。
【特 徴】
- 水晶振動子の安定した周波数を取り出し、膜重量の変化を正確に検出する事が出来ます。
- ATカット水晶振動子ですので、温度に対して非常に安定しています。
- お客様のご使用条件にマッチした仕様(カスタム仕様)をお作りいたします。
- 低価格・高信頼性・安定供給いたします。
応力対応用、レートの安定性追及、ロングライフ等のご相談もお待ちしております。
モニター水晶諸元
周波数 | 5MHz | 6MHz |
---|---|---|
水晶切断方位 | ATカット | ATカット |
外形寸法 | φ12.4 | φ14.0 |
水晶板の形状
水晶板は、第二スプリアスを主振動から遠ざける為、プラノコンベックス加工されており、片側が平面、もう一方は球面になっています。また、ウラベベル加工を施し、輪郭振動(不要な振動)を抑制しております。
(図:プラノコンベックス加工の特徴「水晶板を真横から見た図」
電極材の量(厚み)
現在、弊社で取り扱っているモニター水晶の電極材質は、金、銀(下地クロム)、アロイの3種類です。電極材質の違いにより、電極材の量(厚み)が異なります。下図をご参照ください。アロイ電極のモニター水晶は、金電極のモニター水晶より電極材が厚く蒸着されています。電極材が厚く柔らかい為、お客様の蒸着材料が付着後も電極材がクッションとなり、水晶の発振(厚みすべり振動)をさまたけずよりロングライフを実現できます。
電極材が蒸着された水晶板を真横から見た図
厚みすべり振動
厚みすべり振動とは、水晶振動子(モニター水晶)の振動モードの一つです。圧電素子である水晶は、電位を加えると結晶がひずみます。ATカット振動子は、厚み方向にひずむのが特徴です。下図は、厚みすべりモードを素子の断面で模式的に表しています。電荷密度が高い中央部分がより大きくひずみ振動します。
モニター水晶の電極形状
モニター水晶(金) | 5MHz | 平面側:表裏確認用マーク 球面側:ベタ電極(成膜側) |
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モニター水晶(銀) | 6MHz | 平面側:島状電極 球面側:ベタ電極(成膜側) |
モニター水晶(アロイ) | 5MHz | 平面側:ベタ電極(成膜側) 球面側:表裏確認用マーク |
6MHz | 平面側:ベタ電極(成膜側) 球面側:島状電極 |
モニター水晶(金、銀)とモニター水晶(アロイ)では電極形状が異なります。
ベタ電極の方が裏面となっており、お客様が使用するとベタ電極側にお客様での蒸着が付着します。(右図)
※平面側にお客様の蒸着材が付着することで相似の理の原理により、蒸着すればするほど表裏の形状バランスが取れて水晶の発振が安定し、長寿命をもたらします。
※相似の理とは、左右対称・表裏対称という事です。
使用後のモニター水晶の等価抵抗値の比較
モニター水晶(アロイ)の使用後の等価抵抗値を測定し、弊社製と他社製の測定値を比較しました。弊社製のモニター水晶(アロイ)は、使用後も等価抵抗値のバラツキが小さく安定しております。
モニター水晶(アロイ)の特徴 まとめ
- アロイは、金よりも柔らかく、軽いです。(水晶の振動をさまたげない)
- アロイは、金よりも電極部分が厚いです。(金とアロイの比重の違いにより、約7倍の厚みとなります)
- 水晶振動子(モニター水晶)の電極としてアロイは、最も適している為、発振が安定し、長寿で使用する事が出来ます